何故小学生が不登校となってしまうのでしょう?
現在の日本は皆さまもご存知の通り、少子高齢化にも関わらず、そして1990年代前半と比べると小学生は20%も児童数は減っているのに不登校は急増しているという一見不可解な現象が起きています。
直近の文部科学省の調査によれば不登校は小中学生共に減るどころか毎年増え続けています。
行政も色々対策を試みようとしているようですが、不登校となっている当事者や、その保護者の方にとっては「待ったなし…」という状態のご家庭も多いのではないかと思います。
では何故、毎年小学生の不登校児が増えているのでしょうか。
ほんの少し前までは実際に昔に起こっていた経済的な理由…などは余り存在しませんでした。どちらかというと誰が見ても明らかな虐めが大多数だったのではないでしょうか?
ですが昨今、メディアが騒ぐほど虐めのみが不登校の原因とは言えないように思います。
少なくとも、わたくし共(社)加藤永江教育研究所にご相談にお見えになる保護者の方達のお話しを聞いている現場の人間としては、不登校≒虐めと即刻に直結してしまうのは無謀な考えであると思います。
それでは、小学生の不登校の児童の中で実際に良くあるご相談の内容を記載します。
1、保護者の方達には見当もつかない理由。
(例)給食がまずい、体育が苦手、
2、隠れた所得格差によるもの。
3 一番多い理由は、お子さん曰く「なんとなく面倒くさい」から。。。
ちょっと聞くだけでは理解に苦しみますね。
ですがよく聴取すると面倒臭い理由も段々と「なんとなく」→「具体的」になって行き理解できるようになります。
4 発達障害や学習障害、知能水準の低さなどが理由となり、検査を受けないまま通常級に在籍している為、履修内容が分からない。
問題行動が衝動的に抑えられない為に、逆に周囲から虐めの対象になってしまうケースも多い。また小学校そのものに興味がなくなってしまう。(友人がいない為にゲームをしたり、テレビを観るなど自宅にこもる)
何れの場合も小学生に一番多く認められる不登校の学年は自我が芽生え、ご自身の立ち位置を理解し、把握できるようになる小学5年生~小学6年生だと思います。
また「中一ギャップ」という用語は以前から存在していましたが、最近は小一ギャップという言葉や小三ギャップという言葉まであると聞きます。
特徴は以下のようです。
小一ギャップは案外容易にイメージできますね。
幼稚園や保育園のような保護者による送迎などがなくなり、初めて保護者抜きでの登校となり、また未就学の時は何かと幼稚園や保育園の先生方の介添えがあって成立していた生活も小学生ともなると1クラス40人近くの集団に飛び込むのですからあるお子さんにとってはワクワクとした未知の世界にもなりますが、一方で未就学の時と小学校の生活の違いが余りにも大きいと感じて不安を覚えるお子さんは小学校に行くという行為そのものが怖くなってしまいます。
上述が小一ギャップと言われている所以です。
少数ながら小三ギャップも存在します。
10歳の壁とも呼ばれます。小学校生活にも慣れてきて男子生徒や女子生徒の発達年齢もその差は有意なものではありませんが、履修教科が増えることもあり、勉学も児童によって差が出てきます。故に小学校生活も楽しく過ごせる児童と、そうでない児童に別れていきます。
以上が小三ギャップに認められる理由の一つです。
実際に算盤や勉学に関係した習い事も、この時期くらいから始まるのでしょうか。
また、この時期に漢字など、いくら勉強しても覚えられなくて学習への意欲がなくなってしまい登校拒否の原因となる場合もあります。
(学習障害の詳細は 学習障害 をご覧ください)
学習障害が疑われる場合は然るべく検査を受け、そのお子さんの特徴に合わせた対応が必要となります。
小学生の不登校の理由は前述全て、もしくはその一つが理由であることが多いと思われます。